毎年恒例『今年これがバズるぞ!』の2026年版が解禁されました。
序
『今年これがバズるぞ!』(通称:これバズ)とは、日テレ系の音楽番組『バズリズム02』にて発表される、今年バズるであろうと思しきアーティストをランキング形式にまとめたものだ。新春恒例企画となっており、今年は音楽関係者254人へのアンケート調査をもとに集計しているそう。2026年版のランキングは以下の通り。
1位:kurayamisaka
2位:CLAN QUEEN
3位:終活クラブ
4位:G over
5位:セカンドバッカー
6位:DXTEEN
7位:猫背のネイビーセゾン
8位:ねぎ塩豚丼
9位:おとぼけビ~バ~
10位:いぎなり東北産
11~30位は以下の通り。
11位:Lavt
12位:JAM HEADS
13位:jo0ji
14位:HOME
15位:Nikoん
16位:luv
17位:eill
18位:君がそうなら僕はこう
19位:BANGERS
20位:S.A.R.
21位:Recca
22位:かずき山盛り
23位:OddRe:
24位:Furui Riho
25位:NELKE
26位:Re:name
27位:NEK!
28位:Subway Daydream
29位:水平線
30位:HONEST
ハハハ……
もう毎年恒例企画となっているが、納得のいかなさも毎年恒例だ。
具体的にどこに納得がいかないのか。
「バズ」の定義
まずは、「バズる」の定義について。番組内では「今年バズる」アーティストを集計したとのことだが、紹介されるアーティストは既にSNSで100万回再生されたとか、武道館ワンマンをソールドさせたとか、すでにバズってね?なメンツが多くいるのだ。まずは「バズ」の定義から始めませんか(グループディスカッションにいる奴)?
選定基準
次に選定基準だ。音楽関係者(音楽関係者ってなんだよと毎年言ってたけど、番組内のコメントを見るに「タワレコ等のレコードショップ店員」「サブスク配信プラットフォームの社員」「ライブハウススタッフ」等によるものらしい)254人による1~30位までの集計調査って、どういう形式なのだろうか。試しにAIに聞いてみると、以下のような回答が。

①の単純集計だとサンプル数の少なさからかなりバラつきが出そうなので、②と③のハイブリッド型な気がするが、どのみち250人そこそこのサンプルで30位までランク付けするのはあまりに少ないように思うけどどうだろう。たとえば「数千人規模の視聴者アンケートを行う」ことで”信頼性”をより担保したやり方を試すこともできます。やりましょうか?
ラインナップ
最後に、何と言ってもそのラインナップだ。もう一度TOP10を見てみよう。
1位:kurayamisaka
2位:CLAN QUEEN
3位:終活クラブ
4位:G over
5位:セカンドバッカー
6位:DXTEEN
7位:猫背のネイビーセゾン
8位:ねぎ塩豚丼
9位:おとぼけビ~バ~
10位:いぎなり東北産
申し訳ないけど誰!?を喉元で抑えつつ、例年に漏れずカオスなメンツだと思った。一応全アーティスト何曲かずつ聴いてみたのだが、正直今年「バズる」必然性のある音楽ではないな……と感じるものも多かった。「これ、売れるか……?」っていう。
逆の方向で「これどうなん?」もある。9位のおとぼけビ~バ~は紹介されている通り国内より海外でのポピュラリティがデカいし、もはや日本でのバズるとかバズらないとかいう次元の土俵にはいないように感じる。というか彼女らもその辺気にしていないだろうよ。昨年にはオアシスの来日公演でのO.A.も務めているし(東京ドームですよ?)、そもそもフジロックどころかコーチェラとかロラパルーザでバリバリ活躍しているバンドをこの企画にランク付けすることがもう恥ずかしいことだと思いますよ。音楽関係者さんよォ!
また、1位のkurayamisakaも個人的にはう~~ん?だ。22年にリリースされた1stミニアルバムの『kimi wo omotte iru』の時点でTL上の話題はkurayamisakaでもちきりだったし、取り上げるにしても去年にはやっておくべきだったろ。
ちなみに僕は昨年の『おれバズ』(おれがバズると思われるアーティストを選んでみた)でkurayamisakaを1位に選出しました。当時「バズる」を「音楽系以外のショップで流れること」というゆるめの基準を設けたわけだが、実際カフェとかでも流れてたらしいしな!!俺の勝ち!!
そもそもさらに振り返るとですね、2019年に1位を獲得したKing Gnuについてはメジャーデビューを発表したのは2018年のライブだったし、2017年の時点で既にチケットが全然取れなかったんですよ。2021年の1位Vaundyについては、当時スマッシュヒットをかましていた『東京フラッシュ』のリリースが2019年で、その頃ですら周囲の音楽好きの多くがチェック済みだった。
……という諸々を含めて色々言いたいことは止まらないわけだが、文句ばっか書いていてもアレなんでさらに逆の話でいうと、2位のCLAN QUEENと3位の終活クラブについては割と納得感はある。ライブ自体はまだ観たことはないのだが、自分が行くフェスやイベントのタイムテーブルでも目にする機会が増えたし、Spotifyのプレイリストなどでもよく見かけるようになったからだ。
あ……、このままいくとバズらなそうと書いたアーティストの選択肢が狭まるのでこの辺にしておきます。世は大ファンダム時代なのでね、おっかないからね……。
またまた勝手にランキング作ってみた
「バズった」の基準
あーだこーだ書きましたが、以上を踏まえて『おれがバズる(と思われるアーティストを選んでみた)ぞ!2026』(通称:おれバズ2026)を作ってみた。今年はあーだこーだパートが長かったので、おれバズの基準も例年より少ししっかり目に考えてみました。基準は以下の通りです。
- ゴールデン帯ドラマ主題歌に抜擢されるorMステに出演する(マス)
- キャパ3000人以上の会場でワンマンライブを行う(現場)
- 12月末時点でのSpotifyのリスナー数が1月比で1.5~2.0倍になる(サブスク)
①マス②現場③サブスクの観点からそれぞれ基準を考えてみた。
まず1は文字通りマス受けだ。TV離れといえどゴールデンタイムのドラマタイアップとMステ出演はお茶の間においてやはり一定の権威がまだ持続していると思って。
2ではキャパが重要なファクターとなる。以下に挙げるアーティストはZepp等かなり大きい会場でのライブが既に決定している人らもいるが、一番キャパのあるZeppでも羽田の2,925人である。そこで3000人を一旦ハードルに設定した。ちなみ3位のアーティストは既に横アリ公演が決まっているが、その場合1か2を達成で「バズった」としたい。
3はサブスクリプションの観点から。月間リスナーの増減比について定点観測をしたことがないのでかなりアバウトな設定になっているが、1.5~2.0倍で増加したらバズと言っていいのではないだろうか。無茶なら無茶と言ってください。
26年末までに3つのうちどれかを満たせば「おれバズ」認定とさせていただこうかと存じます。よし、これで例年より言い逃れできなくなったぞ……。まあでも本家は基準すら設けていないのだからこっちも言いたい放題言おう。
あと、アイドルやボーイズ/ガールズグループ系のアーティストは意図的に除外しております。なぜなら僕が全く詳しくないからです。詳しくないのにいっちょまえに触れるのが一番恐ろしいし……。
というわけでTOP10を考えてみました。まずは10位から。
10位 luv
2023年6月に活動を開始した関西発5人組バンドluv(ラヴ)。上記にある通り実はバズリズムでも16位にランクインしているのだが、今年はもっと行くんじゃないかということでこの位置に。結成からわずか一年でメジャーデビューということでかなりの注目株と思われる。メンバーのルーツがソウルなどブラックミュージックというのもありグルーヴィ―な曲が多く、ルックスも令和みがある。身も蓋もない言い方をすれば「売れそう」だ。1/11時点のSpotify月間リスナー数は148,449人。
9位 sidenerds
2023年7月9日より始動した、東京を拠点に活動する4人組オルタナティブバンドsidenerds(サイドナーズ)。かねてより国内オルタナ・シューゲイズシーンが今アツいと毎度奇声を発しており、良いバンドが死ぬほどいるわけですが、彼・彼女らに関しては中でも頭一つ抜けていて、どこかインターネットの文脈も乗っかっていそうなのが興味深い。ライブ映像を見てもらえばわかる通り平均年齢20歳そこらにしてこの仕上がり。演奏力どうなっとるんや。ギターが巧すぎる。1/11時点のSpotify月間リスナー数は13,771人。
8位 Blume popo
滋賀発5人組バンドBlume popo(ブルーメポポ)。マスロック・ポストロックを基調としたオルタナバンドで、ギターの繊細な絡み合いに重なる透明感と芯のある歌声に邦ロックの美学が見られる。12月にリリースされたアルバムが弊TLでもめちゃくちゃに話題になっていたし、the cabsやひとひら等との共通項を感じる。そういう意味でも今年跳ねるのではないだろうか。アニメタイアップとの親和性も高いと思う。1/11時点のSpotify月間リスナー数は25,056人。
7位 レトロリロン
2020年6月に洗足学園音楽大学の同期で結成された4人組バンド。洗足学園音楽大学といえばかのマカロニえんぴつを輩出した名門だ。まさに彼ら同様、軽妙な鍵盤が乗ったグッドミュージックが特徴で、アカデミックな素養によりシンプルに楽曲の完成度が高い。ジャンルレスなポップスゆえあまり聴く人を選ばない音楽だと思う。あと歌がうますぎる。1/11時点のSpotify月間リスナー数は315,700人。
6位 多次元制御機構よだか
元フィッシュライフのフロントマン林直大(ハヤシング)によるソロプロジェクト、多次元制御機構よだか。フィッシュライフといえばハヌマーン直系のテレキャスジャキジャキスリーピースオルタナで、そのライブ力の凄まじさから第一線で凄まじく躍進していた中、18年に急遽解散するという流星みたいなバンドだったわけだが、よだかでは当時から秘められたポップセンスが炸裂。出す曲出す曲どれもがキャッチーで鼓膜にこびりついて擦ってもとれない魅力を放っている。楽曲提供も多く、今年あたりいよいよデカいタイアップが決まる気がしている。ちなみにサポートメンバーはBa.田淵智也 (UNISON SQUARE GARDEN、THE KEBABS、Q-MHz)とDr.鈴木浩之 (THE KEBABS、ex.ART-SCHOOL)だ。アホ。1/11時点のSpotify月間リスナー数は6,677人。
5位 aldo van eyck
福岡発4人組ロックバンド、aldo van eyck(アルド・ファン・アイク)。初見殺しすぎる。ポストパンクが軸にあるようだが、よりジャズやR&Bなどもルーツに据え、さらにリズム面にも力点を置いているような音楽性だ。音源聴くだけで「あっこれ全員”猛者”だ……」となるやつ。昨年の時点で様々なイベントに出演が決まりまくっていたので今年はドカンとくる気がする。1/11時点のSpotify月間リスナー数は1,557人。
4位 テレビ大陸音頭
2023年に札幌市の高校で結成された4人組バンド、テレビ大陸音頭。テレビ大陸音頭ってなんだよ。突如リリースされた『俺に真実を教えてくれ!!』という曲が瞬く間に話題になり、Spotifyのバイラルチャートでは3週連続で1位を獲得するという暴風雨のような実績解除をしたバンドだ。black midi等とも共時性を感じる慌ただしい音楽性をしているが、ティーンエイジャー的焦燥感と真っ直ぐな目でこちらを見つめるようなピュアさが綯い交ぜになった、ポストパンクと一括りにできない独自性がある。ライブも相当ヤバいだろうなこれ。地上波の番組で生演奏をしたときはVo.が急に歯磨きしだした。1/11時点のSpotify月間リスナー数は10,606人。
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