The Otalsがいればシューゲイザーの未来は明るいかもしれない

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増税、物価高、少子化、疫病、戦争……。2000年代になって23年も経ちエヴァの舞台になった西暦から8年も過ぎているというのに、人型ロボは普及していないどころか、マニュアル免許の車すら未だに現役である。TVを点ければ、SNSを開けば、上司との飲み会に行けば、どんなにポジティブ人間でも気が滅入るような日々。できることといえば、もはや逃避のみなのかもしれない。

そんな中、個人的に明るい兆しが見えているものがあるんですよ。

シューゲイザーなんですけど。

またシューゲイザーかい

最近の僕はそこかしこでシューゲイザーバンドの話ばかりしているので、「またかよ」と思われるかもしれない。が、2023年はRIDEが4年ぶりに来日したり、My Bloody Valentineのケヴィン・シールズが新曲をリリースしたり、Slowdiveが6年ぶりにアルバムをリリース予定だったりという、まさかのシューゲイザー御三家全バンドに何かしらの動きがある珍しい年である。この流れが直接力点となってはいないだろうが、現在の国内インディーロックシーンでもシューゲイズに再び注目が集まっている気がする。こんな退廃的な時代ですよ、そりゃ足元見たくもなるわ。

という感じで個人的にも最近よく聴いてるジャンルなんですが、その音楽性(轟音ギターにボソボソボーカル)ゆえにとっつきづらさを感じるのも事実。

そこでThe Otalsですよ。

The Otals(ザ・オタルズ)とは

自称『世界一とっつきやすいシューゲイザー』を掲げるシューゲイザーバンド。クールでちょっとキザな男声ギターボーカルJune FAXxxxxx (ジューン・ファックス)と、透明で甘酸っぱい女声ベースボーカルMarina Timer(マリーナ・タイマー) の従兄妹2人からなるデュオです。

最近、このブログでもシューゲイザーバンドを取り上げる機会が多いと自覚しているけれど、カートゥーン×シューゲイザーは今までありそうでなかった組み合わせだ。

小樽出身でOtalsか、安直~~!笑
本当に従兄妹同士なのかな。The White Stripesみたいな感じかな。

とっつきやすい

特筆すべきは、なんといってもそのポップさ

おそらく、「シューゲイザーを聴いてみたい!」という人にいきなりlovelessを聴かせると体調悪くなると思うんですよ。泳ぎがうまくなりたい小学生にまず勧めるべきなのは、オープンウォーターダイバーのライセンスではなく、正しい息継ぎのタイミングです。そういう意味でThe Otalsですわ。強烈なノイズと唸り声みたいなベースが織りなす音像の手前には、抜群のメロディセンスが鎮座している。世界一とっつきやすいの異名は伊達じゃない。

完成度の高いパッケージ

キャラデザやアートワークへのこだわりからもマーケティングの上手さが垣間見える。畑の違うオタクを横断できるからだ。シューゲイズってロックの中でも割とオタク的でとっつきづらい嗜好だと思うのだけれど、Pixivでランキング上位に位置してそうなかわいらしいイラストのキャラで視覚的に惹きつけることで、あらゆる層へ向けて裾野が広がっているように思う。その上で、肝心の楽曲にも隙がない。轟音で味付けられてはいるが、”セカイ系”の系譜を感じるボーイミーツガールでアオハルな曲調が多いので耳馴染みが良く、聴いてて胸がきゅっとなるメロディがたくさんある。曲名もどれもキャッチーだし、しっかりうるさくて、しっかりポップ。楽曲もそれを包むアートワークもパッケージとして手が込んでおり、完成度が高い。”なんとなくエモさを重視”とかでやってる仕事じゃないよこれ。

新譜購入特典のイラストカード。かわいい~!

これはもうただの好みだけどキャラデザがとにかくぶっ刺さりです。なんとなく潔癖症っぽいな~と思ってたジューンさんがマジで潔癖気味らしいのが最高だし、マリーナさんはかわいすぎる。

全部うるさくてポップで、シューゲイザーの入門としても最適。なのに、明らかにクオリティと知名度が釣り合っていない。YouTubeにあるMVはどれも再生回数が1,2桁足りないと思う。これが主題歌のアニメ見たいもん。早くZeppでライブやってほしい。

そして、最近解禁された情報によれば、17歳とベルリンの壁とsugardropとeureka(ex.For Tracy Hyde)とコラボしたスプリットアルバムをリリースするとのこと。

なにこのアベンジャーズみたいなラインナップは。若手国産シューゲイザーの金字塔なメンツ。このコラボ先のバンドに加えて、kurayamisaka、揺らぎ、ヨルシカあたりが好きな人にも刺さりそう。先月リリースされた『U MUST BELIEVE IN GIRLFRIEND』と強気なタイトルを冠する16曲入りのフルアルバム聴けば、どういうバンドかわかると思う。

というわけでThe Otalsのレコメンドでした。

先なんか見えない世界でも、足元見ながら青春の轟音に溺れよう。

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