PELICAN FANCLUBというバンドをご存じでしょうか。
千葉県を拠点に2012年に結成されたロックバンドで、2022年にBa.カミヤマリョウタツとDr.シミズヒロフミが脱退し、現在はVo.エンドウアンリのソロプロジェクトとなっている。つい先日新体制初のミニアルバムがリリースされたのだけど、これが相変わらずペリカン節全開の最高音楽で、新体制になっても芯の変わらなさにとても嬉しくなったばかり。
会場のキャパは順当に拡大し、アニメ主題歌のタイアップも増え、名実ともにポピュラリティを獲得していったように見えたが、度重なるメンバーの脱退など苦境も多かったはず。が、約二年の沈黙を経てリリースされた新譜を聴いてやはり素晴らしいバンドだと感じたので、改めて魅力を再確認したい。
ドリームポップ!
音楽性は”ドリームポップ・シューゲイザーをベースとした歌モノ”といったところか。今でこそインディーシーンにシューゲイズバンドがかなり増えてきたけれど、彼らがかなり先駆け的な存在だったように思う。加えて、初期はとことん内省的でヒリついた不穏感のある楽曲も多かった。
声の良さ
透明感のある美声で、カロリーの高いハイトーンボイスではなく不純物のなさが特徴的。かと思えばマイブラのような轟音サウンドでシャウトしたりと幅広く、かなりスキルフルだと思う。
歌モノとしての矜持
エンドウの作る曲は、”ポップさを諦めていない”というところに歌モノとしての矜持を感じる。歌詞や普段のツイート、MCでの発言でわかるのだけれど、フィロソフィカルなものも多く、やろうと思えば大衆性からかけ離れたとことん難解な音楽性に振りきれるはず。が、ドリーミーなエフェクトや轟音ギターで装飾しながらも、最終的に地に足ついたポップネスをしっかり滲ませているのが凄い。超ハイセンス。たとえば以下のようなアニメタイアップソングたちはしっかりキャッチ―に仕上げられているし、アニメ主題歌として求められる”熱さ”から逃げていない。そもそものメロディが良すぎる。
それでいて歌詞はアニメ本編の要素とエンドウイズムをハイレベルに両立させていて、読めば読むほど聴けば聴くほど痺れてしまう。アート性を持ち合わせつつもプロの仕事ぶりを完遂。ミュージシャンシップとしてこれほど頼もしいことはないだろう。
非の打ち所、なし
初めて聴いたのはマカロニえんぴつとの対バン(キャパ100人くらいのライブハウスだった記憶)で、当時から盤石なセンスのマカえんにも何一つ負けてないハイクオリティなバンドだと思った。新譜・旧譜どれも非の打ち所がない作品ばかりなので聴いてみてほしい。
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