11年ぶりの”奇跡”『NANO-MUGEN FES.2025 Day2』ライブレポ――アジカンの愛が全部詰まったフェスに行ってきた

live report
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NANO-MUGEN FES.(ナノムゲンフェス)は、ASIAN KUNG-FU GENERATIONが主催するロックフェスで、2003~2014年まで開催されしばらく休止となっていたが、今年、なんと11年ぶりに開催が決定した。しかも過去最大キャパのKアリーナで、二日間の開催。この度Day2に参加してきたので、簡単にライブレポを残しておきたい。

タイムテーブルはこちら。

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BECK!?!?

ライブレポ

以下、アクトごとのレポです。

THE YOUNG PUNX

トップバッターはイギリスのヤングパンクス。名前とは裏腹(?)にブレイクビーツを主軸とした音楽性で、カリカチュアされたフレディ・マーキュリーが踊りまくるイラストとか生成AIで作られたであろうポセイドンなどの映像がVJで映し出されるカオスさが面白い。日本で言うとPAS TASTAなどに近い感じだろうか。中盤、アジカンの『アンダースタンド』をサンプリングしたドラムンベースアレンジが演奏され、会場は大合唱の圧倒的レイヴ感覚僕を忘れないでよ状態だった。

ASIAN KUNG-FU GENERATION

主催バンドがまさかのこの位置。なぜなら大トリがBECKだから。ゴッチBECK好きすぎだろ。一日目とはセトリをガラッと変えていたようで、一曲目でまさかのBECKの『Loser』の日本語カバー版を披露。ゴッチBECK好きすぎだろ。サビではスクリーンに歌詞がでかでかと表示され、「BECKのときにみんなで大合唱しよう」と煽るゴッチ。主催が率先して盛り上げようとする姿勢、かっこいいぜ。

MAKUAKEのカップリングとして再録された『Little Lennon』では、編曲を担当したくるり岸田が客演で来てくれるというサプライズもあり、ブチ上がる。大サビの歌い上げるパートでは流石にゴッチの喉がきつそうだったが、トリプルギター編成による攻撃性マシマシのサウンドがたまらなかった。

The Adams

腹が減りすぎてYeYeの時間に外に出てしまっていたため、The Adamsから再開。インドネシアはジャカルタで結成されたバンドで、パワーポップバンドでありながらシンセのサウンドにヴァン・ヘイレンみも感じるし、なによりギターがデカすぎる!!最高!!

……かと思えば、死去した友人バンドマンへのレクイエムを奏でたり、ジェノサイドの犠牲者へ捧げると言って『Timur』を演奏するなどのシーンもあり、このバンドがアジカンに招聘されるのは必然なのだろうと思わされるアクトだった。

Nick Moon

イギリスから来たSSW。キーボードとラップトップのみで弾き語るという大変ミニマルな構成ながらも、歌声と楽曲がとことん美しい。日本で言うとROTH BART BARONのような静謐な美しさを感じた。ちゃんと音源追っていきたい。

Fountains of Wayne

今年のナノムゲンに来たオーディエンスの中には、コロナでメンバーが亡くなるという悲劇を経て活動を再開したこのバンドの復活を目撃するために集まったという人も多かったであろう。パワーポップの大トロみたいな曲が続いたかと思えばR.E.M.みたいな哀愁オルタナな展開もあって多彩なライブだった。

Hovvdy

個人的なダークホース、Hovvdy。テキサスで結成されたデュオで、音源だとMen I Trustのようなベッドルーム・インディーポップな印象を受けていたが、ライブではかなりフィジカル(特にギター)が強めのインディーロックで、日本で言うとDYGLあたりと親和性がありそうなイメージだった(Day1ではもっと音源寄りの演奏だったらしいが)。サブステージだったが良い意味で釣り合ってなかったと思う。『True Love』は稀代の名曲だなぁ。レコード欲しい。

くるり

僕はスピッツやサカナクションと並ぶくらい、結婚式のBGMに使うくらい、くるりが自分の人生を彩ってくれたと認識しているのだけど、その割にライブは一回しか観たことなかったのですよ。なので今日を楽しみに待っていたわけだが、結論から言うと一曲目から最後の曲まで静かに泣いてしまった。

くるりって爆速BPM+超メロディアス!な曲はほとんどなくて、割とゆったりとアンサンブルが重ねられる名曲ばかりな印象があって、それって確かにOasisがルーツだよなと感じられるし、そういう意味でもアジカンとの共時性もある。

高校時代に、あらきゆうこ氏が叩いていたオーケストラ期のライブ映像のDVDを誇張抜きに150回くらいは観ていたので、今回の編成も凄く楽しみだった。そして『ブレーメン』のイントロが始まり(=「あらきゆうこが叩くブレーメンを観る」という15年来の悲願が達成)、それだけで号泣モノだったのに、続く曲がそれこそ結婚式で流した『ロックンロール』だったんですよ。マジで頭抱えた。高校の通学路とか、部活の試合で負けた帰り道とか、友達とふざけ合ったり喧嘩したりした日々とか、こないだの結婚式でのみんなの顔とかが瞬時に脳内を駆け巡ってしまい、溢れた涙は最後の『奇跡』まで止まることはなかった。

ASIAN KUNG-FU GENERATION(アコースティック)

大トリ前にアジカンがアコースティック編成で再登場。『ブルートレイン』と『MAKUAKE』はDay1と同じセトリだが、二曲目はこちらも結婚式で流したまさかの『海岸通り』だった。イントロのコード進行がOasisの『Wonderwall』と同じじゃね?と思ってたら『海岸通り』だったので横転していると、アウトロで『Wonderwall』のマッシュアップが始まって側転した。もちろん言わずもがな他二曲のアコースティック版も素晴らしかった。

BECK

大トリはアジカンに多大な影響を及ぼしたBECK。

とんでもない。一挙手一投足にいたるまで名実ともに圧倒的なスターであるBeckによる、完膚なきまでの横綱相撲。ちょっとマジで、とんでもないものを見てしまった、としか言いようがない。次から次へと繰り出されるあまりに王者なロックンロール。振る舞いも歌声もマジで覇者そのものだった。言うことないです。

また行きたい

というわけでナノムゲン2025でした。11年ぶりにして過去最大キャパのKアリーナ開催だったが、この規模とメンツでチケット代が13,000円は破格すぎた。いちバンドが開催するという特性上その苦労は凄まじいだろうし、毎年開催はさすがに容易ではないだろうけれども、客として参加すると非常に楽しかったのもまた事実。初参加だったが行って本当に良かった。また次回もあればぜひ行きたいです。ありがとう、アジカン。

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