“快”と“ベタ”の幸福な暴走──『銀河特急ミルキー☆サブウェイ』の劇薬的気持ちよさ

anime
この記事は約4分で読めます。
スポンサーリンク
スポンサーリンク

『銀河特急 ミルキー☆サブウェイ』というアニメをご存知でしょうか。

銀河特急 ミルキー☆サブウェイ
YouTubeで超話題のアニメ続編!『銀河特急 ミルキー☆サブウェイ』2025年7月TV放送&配信!
-『銀河特急 ミルキー☆サブウェイ』公式サイトより-

一話あたり三分ほどのショートアニメで、近未来を舞台にした様々なキャラが織りなすスラップスティックだ。YouTubeでも公開されているので、ちょっと一旦見てみませんか。

快とベタ

『コトバンク』より引用

快をネット辞書で引いてみると上記のような語義が出てきた。まさにこのアニメを総括するようなものたちだ。気持ちがよくてはやくてすばらしい。

3分に凝縮されたハイペースな展開と怒涛の伏線回収がかなり心地よく、その伏線自体も物語の根幹を揺るがすほどでもないので、「快!」という感覚に包まれる。というかそもそも物語の根幹が、逮捕者の更生プログラムにおけるドタバタという、そこまでシリアスすぎない塩梅なのも絶妙だ。もっとハードなSF的世界観であれば、ここから紛争に巻き込まれたり誰かが死亡したりという展開も定石だけど、そういった軽々しい重々しさがない。

会話の「快」さもある。個性的なキャラクターそれぞれの会話における言葉遣いやアクセントには、居酒屋とかカフェで話してる10~20代くらいのリアルさがあり、いい意味でアニメアニメしていない。そしてみんなかわいい。

ベタ

イメソンはゴリゴリの80sリバイバルのシティポップ。2025年における80sポップって、もはや”オシャレ”という記号性のみが担保されているという印象なのだけど、その「ベタ」をやり切っているのも凄い。

第7話の音ハメ戦闘シーンもだ。非常にベタだけど浮ついたベタさではなく、ホント絶妙。「これおもろいやろ!?」的ないやらしさがなく、サラッとしている。

ベタとはいえヘンテコなアンマッチさもある。近未来と昭和歌謡とか、高速で暴走している特急列車に幽閉されているのに妙に落ち着いた会話劇とか、最終話で結局車両を全壊させるという、それまでの舞台を根本から覆すデウス・エクス・マキナ(しかも主人公の一人が「マキナ」で、列車のOSが「DEUS 10」という細部までのこだわりっぷり)により破天荒なエンディングを迎えるというのに、おとなしく署に戻って取り調べを受けるくだりとか。いちいちかわいいんだよな。

どうなっても知らんぞ

亀山陽平監督は今後間違いなく国内最重要クリエイターの一人になると思う。アニメフォーマットとしてのイノベーターにもなり得るし、そもそもこの作品をほとんど一人で手掛けたという時点でかなり要チェックだと思います。

何度も書くが1話あたりたったの3分。全話観ても40分ないくらいだ。40分ですよ。家に帰ってベッドでダラダラとショート動画を見る手を止めて、こっちを観ませんか?おもしろさは保証するので、つまらなかったらDMしてください。いや、DMする暇があったら2周目に入ってください、よろしくお願いします。

アニメ『銀河特急 ミルキー☆サブウェイ』公式
アニメ『銀河特急 ミルキー☆サブウェイ』公式YouTubeチャンネルにて11言語で配信中!▶️日本語 英語 ポルトガル語 スペイン語 韓国語 中国語 タイ語 インドネシア語 フランス語 ヒンディー語 ロシア語原作・監督・脚本・キャラクターデ...

コメント

タイトルとURLをコピーしました