『たっちレディオ』で、「アニメに出てくる飲食店名が架空のものだと冷める」という話があった(例:『マクドナルド』⇒『ワクドナルド』)。
「実在の店名を作中に出すための権利問題が解消できなかった点」にガッカリしてしまうという、クリエイター目線の指摘だったよう。なるほど。
個人的には全くの真逆で、店名が架空のものだととても嬉しい。なんなら実在のものだと萎えるくらい。架空の店はその物語の世界にのみ存在するチェーン店だから、いわば世界観拡張のための装置的な役割を担っている。それがたまらなく嬉しい。キャラたちが生活をしていて、その店に行っているという確かな手触りを感じられるから。
逆に『マクドナルド』のままだと、創作上のキャラクターと実在の店名でリアリティラインが揺らいでしまう。リアリティ追求のための描写が、却ってスタバ新宿店にそのキャラたちはいないという絶対的な不在と直結し、寂しくなる。実店舗にて聖地巡礼ができるというメリットよりも、僕はその悲しみの方が遥かに大きい。
川崎の吉野家でビールをあおる桃香さんを探してしまわないように、下北沢のSHELTERにぼっちちゃんはいないと確信させてくれるように、アニメに出てくる店名は架空のものであっておくれ。
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