Cigarettes After Sex(シガレッツ・アフター・セックス)というバンドをご存じでしょうか。2008年にグレッグ・ゴンザレスを中心にアメリカ・テキサスにて結成されたバンド。音楽性はドリームポップやアンビエント、スロウコアといったところか。
いや~良い!瞼を閉じたときのような明滅の残像のような、二日酔いのときに飲むコーヒーのような、そういう甘ったるい倦怠感みたいな音像が鼓膜を駆け巡る。かなり好きですね。
いや、でもちょっと待ってくれ、シガレッツ・アフター・セックスって名前、どうなん!?
ダサすぎるだろ
バンド名が、ですよ。いくらなんでも、ダサすぎじゃありませんか。ドウェイン・ジョンソンが聞いたらぶん殴りそうじゃないですか。日本で言うマカロニえんぴつとかMy Hair is Badとか、そういう方向性とはまた違ったダサさ。
バンドメンバーが「俺たちのバンド、『シガレッツ・アフター・セックス』でいこうと思ってるんだけど、どうかな?」と言ってきたら、君ならどうするよ。勘弁してくれと思うだろう。その場でスタジオ練習を切り上げて最寄りの一軒め酒場に直行し、飲み放題プランでハイボールともやし炒めを注文して小一時間説教不可避だ。あるいはそいつの実家に電話して親に問い質すかもしれない。「あんたのとこの愚息、僕とやってるバンドの名前『シガレッツ・アフター・セックス』にしようとしてはりますよ」と。
極上のサウンド
とはいえ、肝心の曲は素晴らしい。うっとりするような耽美なボーカルと、それを包み込むひたすら妖艶で幽玄で低血圧なメランコリア。低カロリーなのに広がりのある音像は、聴く者を深いトリップへと誘う。アートワークのモノクロームさとぴったり合致した音楽だ。
ルーツの一つがマイルス・デイヴィスだったり、1stEPはVo.の母校テキサス大学の階段の踊り場で録音されていたり、YouTubeを中心に爆発的に人気が出たりだとかで、経歴もなかなか面白い。2018年の初来日公演も即ソールドだったらしい。
ほとんどの楽曲がひたすらロマンスや恋愛について歌われているが、中でも最新アルバムの『X’s』は四年にわたる一つの恋愛についての楽曲で構成されている。それが寄与してか、他のディスコグラフィと比べてもアルバムとしての統一性に優れている気がした。
そう考えると、シガレッツ・アフター・セックスはこの上ないバンド名なんじゃないか。名は体を表すのLV100。ダサいとか言ってごめんね。
来日しますよ
そんな彼らが2025年1月に開催される話題のフェス「rockin’on sonic」に出演しますよ!
海外アーティストを聴きはじめるにあたって、現役活動中でガンガン来日してくれるというのはデカいんですよね。ライブを観て嫌いになることなんてほぼないのだから。チケットまだあるし、予定が合う方は行ってみてはいかがでしょうか。僕は迷ってます。
それではまた!!
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