ベストアルバムランキングに引き続き、2024年に観た映画ランキングも書いていきます。
- ベスト10(2024年公開作品)
- 2024年観た全作品(旧作含む)
- ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー(2回目) 8/10
- スパイダーマン ノー・ウェイ・ホーム エクステンデッドエディション 1億/10
- ソー:ラブ&サンダー(2回目) 7/10
- あ・りがとう 8/10
- バッドガイズ: めっちゃバッドなクリスマス!? 9/10
- スコット・ピルグリム VS. 邪悪な元カレ軍団 5/10
- ザ・キラー 8/10
- 機動戦士ガンダムSEED FREEDOM 7/10
- キングスマン:ファースト・エージェント 6/10
- ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS 7.8/10
- クレヨンしんちゃん 謎メキ!花の天カス学園 9/10
- ゴジラ×コング 新たなる帝国 7/10
- マルセル 靴をはいた小さな貝 2億/10
- 鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎 7.5/10
- グレイテスト・ショーマン 0/10
- バービー 10/10
- 数分間のエールを 7/10
- 劇場総集編ぼっち・ざ・ろっく! Re: 8/10
- 劇場総集編ぼっち・ざ・ろっく! Re:Re: 8/10
- マンチェスター・バイ・ザ・シー 1億/10
- 桐島、部活やめるってよ 1000万/10
- クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ アッパレ!戦国大合戦 10/10
- クレヨンしんちゃん ガチンコ!逆襲のロボとーちゃん 10/10
- イコライザー THE FINAL 8/10
- FALL/フォール 7.5/10
- 劇場版モノノ怪 唐傘 8.2/10
- インサイド・ヘッド 3000万/10
- 場所はいつも旅先だった 7/10
- 【劇場版】デジモンアドベンチャー 8/10
- 蒼穹のファフナー HEAVEN AND EARTH 8000万/10
- 機動警察パトレイバー the Movie 8000万/10
- リバー、流れないでよ 10/10
- ドロステのはてで僕ら 10/10
- ULTRAMAN:RISING 10/10
- 蒼穹のファフナー BEHIND THE LINE 5000万/10
- SAKANAQUARIUM 2024 “turn” 10/10
- オアシス:スーパーソニック 8/10
- リアム・ギャラガー:アズ・イット・ワズ 9/10
- PERFECT DAYS 100/10
- レッド・ワン 5/10
- また来年
ベスト10(2024年公開作品)
10位:デューン 砂の惑星 PART2

SFは「”今”でも”ここ”でもない景色を見せてくれる」ものだと思っている。現実では有り得ないストラクチャーやオブジェがその世界でのあたりまえなものとして存在し、生活に根付いているさまが描かれているとどうしようもなく興奮する。描かれているものを当然に描かれているとして受容するのが好き。
Part1は眠くなったとか物語が動いてないとか否定的な意見も多かったけど、今作は流石にストーリーが動きまくっていた。ポールが大衆を扇動してポピュラリティを獲得し、マフディーとして覚醒してゆく終盤の流れに大統領選を重ねてしまう。
9位:シビル・ウォー アメリカ最後の日

アメリカ国内での紛争をテーマにしたモキュメンタリ―のようなロードムービー。劇中での内戦のきっかけは一切描写されないのだが、人々がいがみ合う理由はえてしてしょうもないし描く必要もないという表れに感じられ、かなり絶望的。それにより現実での紛争もどこか引いた眼で観てしまっているということを浮き彫りにされた気もする。
死者が増えていく描写もやはりどこかサラッとしていて、随所でポップスが流れる変な軽さがある。そして、その軽さこそが現実なのだと気づいてゾッとする。エンドロールの演出もウッ……。
8位:ルックバック

チェンソーマンでおなじみ藤本タツキ氏の読切漫画を原作とするアニメ映画。上映時間が一時間というのがちょうどいい快適さで、新たなフォーマットとして定着してほしい。映像作品でいうと本作や葬送のフリーレン、音楽でいうと米津玄師やSUPER BEAVERや時速36㎞などに通底する(と勝手に感じている)、一種の「やっていくしかない性」みたいな芯の部分に最近とても感銘を受けていて、いつかしっかり言語化してみたい。いや、しなくていいか。
7位:インサイド・ヘッド2

主人公のライリーが今作でも辛い状況に陥る瞬間があり、やはり見ていて辛いものがある。子供よ、健やかであれ。
前作も今作もとても好きな点として、”正解を示していないところ”がある。人間の内面には様々な感情が存在するが、”なにが正しい人間の姿か”ということは別に示唆されていないという余白に優しさを感じる。ひょうきんな人、怒りっぽい人、ネガティブな人……100人いれば100通りの人間らしさがあるよねというあたりまえなことを、掘り下げすぎない塩梅で肯定する描写に人間への諦めてなさを感じた。
6位:ベイビーわるきゅーれ ナイスデイズ

「三部作」って相当難しいと思うんですよ。どんな名作でも2は微妙だったとか、3で設定に矛盾が出てきたといった話は枚挙に暇がない。だがベビわるにはそれが通用しないんだよなぁ!
新進気鋭の阪元裕吾監督によるベビわる三作目は、前作・前々作と一切変わらない空気感で駆け抜けた快作だった。ちさまひの会話のテンポ感は演技です!感がなく、全編アドリブなんじゃないか?と思わされるほどの自然体さ。プライベートでもこんな会話してるんだろうなというわちゃわちゃ感が良い。
掃除屋二人組とか、前田敦子とか、嫌々ながらも組織に属することを選び、不平不満を溢しつつも目の前の仕事を全うする姿が刺さる年齢になってしまった。誰かのツイートでも見かけたが、ベビわるは社会と個人のすれ違いを結構な温度感で描いているが、社会からの完全なる孤立・分断を選んだ者は滅びゆく運命にあるということをかなり切実に映し出す。そういう意味ではお仕事ムービーに近い性質を持っているのかもしれない。
ヴィラン役の池松壮亮もとても良い。一見クールで穏やかと思いきや、怒ると手を付けられずヒステリックになり、随所にこだわりがありすぎる男性像にどこか今っぽさを感じる。中盤の「俺が一番強いんだから仲間になれよ(血まみれになりながら)」はほぼホームランダーだった。
5位:パスト ライブス/再会

幼い頃、将来結婚したいと思うほどお互いに惹かれ合った少年少女が、離れ離れになって24年越しに会うことになり……という物語。普段恋愛映画は全くと言っていいほど見ないが、これはとても良かった。恋愛というか人生というか世界だったから。
劇中に”イニョン”という韓国語の言葉が出てくる。日本語にすると「縁」とか「摂理」というニュアンスだ。運命を感じるほど近づいた人間同士が、今ではまったく違う人生を生きているならば、それは前世で結ばれていたからかもしれないし、来世で共に過ごすことになるかもしれない。つまり、前世があったかもしれないし、いまが前世かもしれない。そういう有り得たはずの果てしない可能性に思いを馳せることができるという、残酷で優しい考えが凄すぎる。
エブエブもそうだけど、すべての可能性を肯定しつつ現在地に眼差しを向ける物語は端的に言って強い。「みんな辛いんだから頑張れ」みたいな、はぁそうですか的な正論がいよいよ響かなくなった時代での、現状での最適解はこれかもしれない。
4位:ロボット・ドリームズ

「今の自分がいるのは、過去があったから」と優しく抱きしめるような映画。
人肌恋しい主人公の犬が、通販で購入した友達用ロボットと仲を深めるが、ある出来事をきっかけにしばらく別離することになって……というストーリー。全編セリフなしのカートゥーン系アニメ映画で、展開もわかりやすい。難しいシーンは一つもない。
“犬”と”ロボット”という、無垢で素直な存在のメタファーとしてこれ以上ないキャラ設定で、予告の時点で泣き映画でございま~す感がすごいわけだが、実際のストーリーはそこまでジ・王道ではないというか、ちょいちょい外しがある。結末も結構予想を裏切られる感じではある。
ややくどさすら残るレベルで多用されるEarth, Wind & FireのSeptemberも、クライマックスで流れるシーンのブチ上がりが半端ない。ちょうど忘れてたタイミングで流れるから、くぅ〜〜!!!となる。来日公演行こうかな。
3位:きみの色

人の「色」が共感覚的に視える体質の主人公の女子高生トツ子は、同じ高校を中退した作永きみと、きみのバイト先で出会った影平ルイくんと3ピースバンドを組んで学祭でライブをするという、要約するとそんな感じの大味なストーリーなのだけど、途中でUnderworldが流れたり、そもそも組んだバンドがベースレスかつ「テルミン」というロシアの電子楽器を使用するへんてこなスタイルなのが面白い。バンド名の「しろねこ堂」も、絶妙にティーンエイジャーのネーミングセンス。テレビ大陸音頭かよ。
本作のテーマは「喪失と嘘と赦し」だと思った。ルイは兄弟を亡くしているようだし、きみも明言はされないが両親が姿を見せない。二人とも過去に喪失を経験していて、おそらくそれは今の自分にも多大な影響を残していると思われる。一方で、主人公であるトツ子には特にそういった描写はない。両親とも健在だし、帰省した帰りには大量のお土産を渡されるほど愛されている。
そんな三人をつなぐのが「嘘」だ。きみは高校を辞めたことは同居している祖母に隠しているし、ルイも病院を継ぐよう言われているが、音楽活動に没頭していることは母親に告げていない。終盤で二人ともその嘘を独白するわけだが、中盤では実はトツ子も(おそらく初めての?)大きな嘘をつく。修学旅行の日に仮病を謳って、寄宿している寮にこっそりきみを呼び込むという校則違反を犯すのである。三人の嘘が交わることはないのだけど、おそらくこれ以降どこか深いところで三人が繋がっていたような気がする。
そして、三人の嘘は「赦し」へと変容する。クライマックスの学園祭でのライブには、これまで嘘をついていた相手であるきみの祖母やルイの母や寮のシスターが会場に駆けつけ、さながらレイブのように各々が自由に踊りまくる。この祝祭的なカタルシスの爽快感ったらないですよ。三人がついていた嘘を一笑に付すのではなく、真摯に受け取ったうえで三人の創った魂を視ることの美しさに痺れる。
ライブで演奏される三曲はハチャメチャに三者三様だった。おそらくそれぞれ作曲者が異なるのだろう。特にトツ子制作と思われる『水金地火木土天アーメン』は痛快だった。「色」と強く結びつく惑星と、ミッションスクール由来の礼拝用語を繋げられた曲は、崇高で等身大なトツ子そのものだった。
2位:悪は存在しない

ドライブ・マイ・カーでおなじみ濱口竜介監督による最新作。山奥の小さな町で暮らす男と娘のもとに、とある都内の企業がキャンプ場を開設する話を持ち掛けに来るが……というストーリー。
この映画のタイトルを「悪は存在しない」とした時点で雌雄が決していたような気すらする作品。淡々と描かれる自然と、全てのシーンを覆うどこか不穏な空気感にピリつきながら観ていくも、そのピリつきすら人間の持つ生来的な傲慢さゆえのものなのかと思わされる。理というものはいつだって全部をお見通しなのに、なぜ僕たちは見えもしない淡い希望を抱いてしまうのだろうか。
この作品に関してはもう観てみてくださいとしか言えない。半年以上経つのにこれくらいしか書けないくらい整理がついていないのだから。
1位:ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ

常に歴史を引用して説教をする堅物教師が、ある悩める生徒に対して初めて歴史(≒過去)を否定し、「すべては未来にある」と説く。それだけで救われるし、その構造がもはや映画そのものだ。
人には人の地獄があるということ。でも、それを理解してもらえる瞬間があるかもしれないこと。これからの自分を決めるのは未来であるということ。そして、それらを丁寧に、真摯に描くということ。
言ってしまえば先の展開は読めるし、劇的な大逆転が起こるわけでもない。扱っている主題もとてもオーソドックスだ。なのに、なぜそれが過不足なく伝わるのだろう。
それは、他者とのコミュニケーションは時に自分が持ち得ない考えをもたらしてくれるということを、この映画が真に描いているからなのではないか。自分ではない誰かとぶつかり合うことはもちろん辛いこともあるのだけれど、その化学反応で得られる豊かさも確かにある。結局、人は一人では生きていけない。ぶつかり合いながら、泥臭く生きていくしかない。そんな単純で当たり前のことを、この映画が改めて教えてくれた。
2024年観た全作品(旧作含む)
他にも観た作品をスコア付きで列挙してみる。採点なんておこがましいねぇ!でもやるねぇ!
ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー(2回目) 8/10
スパイダーマン ノー・ウェイ・ホーム エクステンデッドエディション 1億/10
ソー:ラブ&サンダー(2回目) 7/10
あ・りがとう 8/10
ジャルジャルのコントムービー。ネトフリにて
バッドガイズ: めっちゃバッドなクリスマス!? 9/10
スコット・ピルグリム VS. 邪悪な元カレ軍団 5/10
ザ・キラー 8/10
機動戦士ガンダムSEED FREEDOM 7/10
キングスマン:ファースト・エージェント 6/10
ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS 7.8/10
クレヨンしんちゃん 謎メキ!花の天カス学園 9/10
ゴジラ×コング 新たなる帝国 7/10
マルセル 靴をはいた小さな貝 2億/10
鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎 7.5/10
グレイテスト・ショーマン 0/10
バービー 10/10
数分間のエールを 7/10
劇場総集編ぼっち・ざ・ろっく! Re: 8/10
劇場総集編ぼっち・ざ・ろっく! Re:Re: 8/10
マンチェスター・バイ・ザ・シー 1億/10
これとても好きな映画だった。

桐島、部活やめるってよ 1000万/10
平成後期の空気感を巧みに描いたとんでもない名作。脚本がファフナーの主人公役の声優なことに一番ビビった。
クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ アッパレ!戦国大合戦 10/10
クレヨンしんちゃん ガチンコ!逆襲のロボとーちゃん 10/10
イコライザー THE FINAL 8/10
FALL/フォール 7.5/10
劇場版モノノ怪 唐傘 8.2/10
インサイド・ヘッド 3000万/10
場所はいつも旅先だった 7/10
【劇場版】デジモンアドベンチャー 8/10
蒼穹のファフナー HEAVEN AND EARTH 8000万/10
機動警察パトレイバー the Movie 8000万/10
リバー、流れないでよ 10/10
ドロステのはてで僕ら 10/10
ULTRAMAN:RISING 10/10
蒼穹のファフナー BEHIND THE LINE 5000万/10
SAKANAQUARIUM 2024 “turn” 10/10
オアシス:スーパーソニック 8/10
リアム・ギャラガー:アズ・イット・ワズ 9/10
PERFECT DAYS 100/10
レッド・ワン 5/10
また来年
去年に比べると四分の一くらいしか観てないわけだけども、別にたくさん観たからなんじゃいの精神でいこう。今年は良い映画館にも出会えたし、来年も時間の許す限り色々観ていきたい!ではよいお年を!
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